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蕎麦

明日は、蕎麦にしよう。


夫は、蕎麦が大好きだった。


以前は、良く一緒に蕎麦を食べに行っていた。


ほんの4・5年前なのに、宇宙の果てまで何往復もしてきたかと感じるほど時が流れた気がする。


一緒にお出かけできた日々が、記憶の彼方に飛んでしまって、目の前の夫と重ならない。


先日、昔の写真を整理していて、子供たちが小さかった頃の写真が出てきた。


写真に写っているのは、何とも可愛い坊やたちで、目の前のおっさんと、同一人物とは思えない。


しかし、時が30年も流れたのだから、それも納得だ。


夫は、ほんの数年で、この過程を逆行してしまった。


一緒に居る家族の心が着いていけなくて当然だ、と思い直した。


何とも、残酷な病気だ。






ホームでも、たまに蕎麦が出る。


一人で食べられない人には、食べやすいように、短く切って出される。


思い起こせば、子供が小さかった頃、蕎麦やスパゲティを食べさせる時、短く切ってスプーンにのせて口に運んであげていた。


その方が、こぼれる事無く上手に口に入る。






先日、Kさんから聞いた話だ。


その日、Kさんが、夫に蕎麦を食べさせていた時、夫のご機嫌はあまり宜しくなかった様だ。


嫌がるような素振りがあったので、ふと思いついて、食堂のおばちゃんに、長いままの蕎麦を持ってきてもらった。


箸で、口に運んであげると、夫は、上手に啜る様な感じで蕎麦を食べた、との事。



夫が口がきけたら、こう言うだろうか。


「短く切られた蕎麦は、蕎麦じゃない。蕎麦は、長いままズズズーーーーと啜るもの。」




私が嬉しいのは、夫が大好きな蕎麦をズズズーーーーと食べられた事。


でも、それよりも、もっと嬉しいのは、Kさんが、長い蕎麦を食べさせてみようと気が付いてくれた事だ。


食べさせる側の都合を優先すると、短く切ってある方が、こぼれる事無く楽に食べさせる事が出来る。


しかも、夫の為には、短い蕎麦が既に用意されていた。


それなのに、もう一回、わざわざ長い蕎麦を頼んでくれた。


その心遣いが、何より嬉しかった。


可能な限り快適に過して貰おうと言う努力。


たとえ、結果が伴わなくても、それが感じられるだけで、満足だ。


託した家族が、大事にしてもらっていると思えることが、家族が望む最大の事かもしれない。




明日、夫は、長い蕎麦を上手に啜ってくれるだろうか。




001そば



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